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【茶戸庵・集いのとき】

美しい十勝で、産地と繋がる日本茶の青空イベントを開く

十勝平野は真直ぐな道がどこまでも続く、農地と大空のコントラストが美しいところです。
北海道を代表する大規模畑作地帯。酪農も盛んで、食料自給率はカロリー換算で400%といわれています。
しかし、残念な事に寒冷地であるため、茶の栽培には不向きなのです。
茶産地とは違い、お茶畑や茶摘みとは無縁であるため、身近な事として、お茶で季節を感じる事はありません。
そのためか新茶シーズンを待ちわびている消費者は、ごく一部に限られるかもしれません。
産地との繋がりは製茶販売店などの関係者に限られているようですが、
最近では、通信販売による産地の情報提供が消費者に徐々に浸透してきています。
このような茶産地とはかけ離れた地域のなかで、日本茶インストラクターとしてお茶の普及活動を続けてまいりました。

そこで大きな目標として、産地と繋がるような日本茶のイベントを開催したい。
そのために、今何をすべきなのか。これまでの活動を振り返り、準備していきたい。
そんな思いを秘めて、平成16年帯広市において、日本茶インストラクター第1号として活動を開始しました。
当初は道東第1号ということもあって話題性が高く、活動が期待されました。
しかし、日本茶インストラクターという資格の認知度はまだまだ低いといえます。
ですから、活動の場は、自らの手で作って行かなければならないのでした。

しかし地元新聞社やタウン紙などの取材に助けられ、ひろく告知が出来た事はとても幸運でした。
その結果、生涯学習センターや各自治体などで、『日本茶の美味しい淹れ方教室』を開催することが出来ました。
現在では、カルチャーセンターの講師として5年以上が経過しています。
受講生の中には、日本茶に対しての興味が深まり、通信講座で資格を取得した仲間もたくさんいます。
昨年までに、日本茶インストラクター1名、日本茶アドバイザー10名以上の取得者が誕生しました。
このような状況から、今後のインストラクター、アドバイザーの活動が増えることを期待します。

これまでも様々な出会いを通じて、手作りのお茶のイベントを開催してきました。
特に平成19年6月に開催した野遊会では多くの出会いがありました。
茶会の亭主を静岡県内で製茶問屋を経営する葉桐清一郎氏が引き受けてくれたのです。
葉桐氏は自称平成の売茶翁(※1)と名乗り、ユニークな日本茶の啓蒙活動を展開しています。
葉桐氏との出会いは、あるご夫人がもたらしてくれたのです。

カルチャー教室の、受講生募集のための公開講座で、
日本茶インストラクターの私が淹れたお茶は、
歌人であり煎茶も愛するご夫人にとって、理科の実験のように映ったようです。
ご夫人の評価は実に適確なものでした。
教科書通り講座を進めたのですが、まるで人間らしさに欠けていたのです。
その姿を見て、ご夫人は次回訪れる新茶の時期には、
お茶に造詣の深い静岡の友人に合わせてくれると約束してくれたのです。
そして出会ったのが葉桐清一郎氏でした。

お茶好きで自然が好きの葉桐氏は、豊似にある太四郎の森を大変気に入り、お茶会を開催することになったのです。
そして出会って3年後の平成19年6月には、手作りの森、『太四郎の森』(※2)で、
「森で野ほほん」をテーマに野外茶遊会を開催したのです。
この会には交通の便が悪いにもかかわらず、3日間で述べ200人余りの来場者がありました。
そして、時間をかけて丁寧に淹れる、葉桐氏の日本茶は、多くの十勝人を魅了しました。

さらに帯広市と国際交流姉妹都市の米国ウィスコンシン州マディソン市、
姉妹都市会会長であるジョー女史(米国在住)とは、お茶を通しての文化交流は現在も続いています。
来帯の際には必ず私の家に一泊する時間をとられている。
女史からは、日本茶インストラクターの私に文化交流のための渡米要請が現在もあると聞きます。
私が自宅を開放し日々、日本茶の普及活動を展開していることに好印象を持たれ、エールを送ってくれたのです。
日系二世のジョー女史は、和風を大切にし、いつもきもの姿で和食をもてなす私の姿に、
ノスタルジーを感じていたのかもしれません。
女史の強い希望で、私の和服を着て、日本茶のカルチャー教室に参加するという企画がありました。
その時の女史の、真剣な眼差しはいまも忘れられません。
そしてわれわれ日本人以上に、日本文化を大切にして暮らしている様子は居合わせた人々をとても驚かせました。
しかし、ジョー女史の要請に応えるには、私自身が日本茶インストラクターとして、
帯広市における活動の場を、さらに広げていかなければなりません。
例えば公共の場での呈茶を企画する。
市主催の祭りやイベントなどで、季節に合わせたお茶を提供し市民に楽しんでもらう。
教育の場における課外授業などで積極的に、日本茶の美味しさや独特の文化、歴史を伝え続けること。
海外でも日本茶は注目を集めているのですから。

また昨今話題の野菜ソムリエのなかには、日本茶アドバイザーの資格を合わせ持つ方もおります。
縁あって、お茶と野菜のコラボレーションとして20人程度の食事会を企画したことがあります。
それは10種類の野菜料理に、10種類の日本茶やブレンド茶を組み合わせるという企画でした。
それぞれの料理に合わせたお茶を選び、とても満足の行く結果が得られたました。
例えば、雑穀ご飯に雑穀茶、揚げ物には釜炒り茶でスッキリ爽やかにというふうに。
これは話題性があり、お茶の楽しさを伝える方法としてはとても効果的でした。
 
これまでもお茶にまつわるたくさんの企画を計画実行してまいりましたが、
やはり日本茶は主役としてではなく、引き立て役なのだと思います。
和菓子と日本茶、ケーキと日本茶、器と日本茶というように、常になくてはならないものとして日本茶があります。

また美容関係者からも要請がありました。
女性に最も関心が深い体の内側と外側からの健康美を作るという企画です。
お茶の持つ美容効果を活用してアピールしたい。
これは、ひとりひとりを大切に対面でおもてなしをするという企画でもあります。
今までお茶に無関心だった若者にも、積極的に働きかけることができました。
精神面からも日本茶の優れた効果を引き出せはしないか。
時間をかけてゆっくりと、目の前で淹れてくれる日本茶に勝るリラクゼーションはないのです。

そして、茶葉を使った料理にも積極的に力を入れてきました。
これはとても美味しく栄養面からも効果が期待されます。
最近ではお茶葉料理のフルコースをほぼ完成させました。
特に玉露を使ったお茶寿しの人気は高く、新設講座では披露してみたいと計画中です。

 結論として、これまでの活動から学んだ事は、物語性が人を惹きつけるという事です。
何故、今、お茶なのか。
我々は何を伝えたいのか、はっきりしている事は、お茶物語の主人公となり、
日本茶の持つ優れた特性を余すことなく伝え続けて行くことです。
そして、今までの活動を無駄にすることなく、協力してくれた仲間たちと共に手を取り、さらに歩みを進みたいものです。

これからも自然の豊かな恵みを利用して、
地域の皆さんと共に足並みを揃え、小さなお茶会を重ねていこうと思います。
お年寄りから赤ちゃんまで、日本茶の持つ優れた成分や魅力を最大限に引き出して、
皆が楽しめるような催しを開催する。
年齢層に合わせたお茶の飲み方や、季節に合わせたお茶のブレンドなど十勝のオリジナル茶も提案したい。
産地と連携することで十勝らしい発想のお茶が出来るのではないか。それは今後の課題です。

『美しい十勝で、産地と繋がる日本茶の青空イベント』を開催するために、
今から積極的に多くの人とかかわり、助け合い、日本茶の普及活動を高めて行かなければならない。
そうすることが日本茶インストラクターの使命なのであるから。
(2009年記)


※1
売茶翁 江戸時代中期に黄檗宗万福寺の修行僧。
 50代後半、常に茶道具を担い京都界隈  で人を集め、茶を飲ませていた。
※2
太四郎の森 帯広市に住む泉幸洋さん(1951年生)が、
1万7千坪の雑木林だった土地を美しい森に 作り変えている。

家常 和 

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